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アイドルやってる女友達が週刊誌に俺といるところを撮られたらしい
written by 夜木嵩
  • メンヘラ
  • ヤンデレ
  • アイドル
  • 友達
公開日2026年04月18日 18:31 更新日2026年04月18日 18:31
文字数
2478文字(約 8分16秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
アイドル(女友達)
視聴者役柄
一般男性
場所
居酒屋の個室
あらすじ
学生時代からの付き合いになる女友達はアイドルをやっている。
これまで友達として親しくしつつ応援をしてきたが、最近やっと売れてきたようで、ツアーで全国を回るようにもなった。
この前、ツアー完走の労いも兼ねてと飲みに誘ったのだが、どうやらそこで何かが起きたらしい。
後日、彼女からその件で話があると連絡を受け、彼女が待つお店へと向かった……

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本編
来た来た。

いいの。予定より仕事早く終わったから先にお店で待ってただけ。
大体、呼び出したのも私だから、それくらい気にしないでいいのに。

それくらい私に気を遣ってくれるってのは、嬉しいけど。

むしろ、君の方こそ忙しいの無理して来てくれてる、とかじゃない?
約束だなんて言ったら、どんなに大変でも守ろうとしちゃうでしょ。

だったら、いいんだけど……

とにかく来てくれたことだし、早速話聞いてもらっても、いいかな。

君と一緒にいるところ、週刊誌に撮られたみたい。

あの、先月、ツアー終わったってとこでちょうど君から誘ってもらって一緒に飲んだでしょ?
覚えてる?

あの時、お店出たとこを……パシャリと、ね。

別に私たち、付き合ってるわけではないし、ましてやホテル行ったとか、キスとか手繋いだとかしてないし、ただ一緒にいるとこ撮られただけなんだけどさ。

熱愛発覚ー、みたいな記事になるんだって。

……ほんと、好き勝手してくれるよね。

私もさ、仕事ひと段落して気が緩んでたのかもしれないなって、今思えば。

でも、でも本当に撮られるんだってビックリしちゃった。

どうなるのって、そしたら週刊誌に載るし……

どうなるんだろ。

マネージャーの反応、思ってるより重くてね。
もちろん、彼とはそういうお付き合いはしてないですとは言ったんだけど。

本当のこと言ったのに、あんまり信じてもらえなくて。
なんでだろ。

でも、私たち以外わからないことなのに、本人が言ってたら隠してるかもみたいになったら、もう収まりようなくない?

そう思うとね、いろいろなこと想像しちゃって。
おかげでここ数日、あんまり眠れてない。

やっと人気になってきて光が当たるのはいいことだけど、ファンと同時にあんまりよく思わない人とか、意地悪な人とかも出てくるから、これ見よがしに次から次へと悪い言葉が飛んでくるの。

そうやって道を断たれた先輩のことだって知ってるから、私もそうなるのかなって考えたら、恐ろしくて。

それに、私一人の問題とも言えないし。

マネージャーが、私に向かってじゃなかったけどボソッと言ってた。
「これからだって時なのに」って。

この前のツアーが大盛況で、次はもっと大きな会場でって話も出てるし、他のメンバーはドラマとか、CMとか、グループとして確かに上の舞台に届いてきてるんだって感じるの。
今までみんなで手を取り合って、必死になって、夢を叶えようとしてきた。
それが、実を結ぼうとしてる。

それなのに、こんな勢いの時に足を引っ張る私って、ありえないよね。
アイドルの自覚が足りなくて、頑張ってるみんなの邪魔しようとしてるんだって。

まだ、メンバーには何も話せてない。
私って卑怯者なんだな。

それにね。
一緒に撮られたってなったら、君にだって、迷惑かかるのが申し訳なくって。

私がいけないんだけど、SNSじゃ君にだって矛先が向くから。

今でも君が仲良くしてくれてるのが私にとって大事な支えだっていうのに、こうしてお礼じゃなくて仇で返すなんて。

こんなどうしようもない自分が嫌になる。
どうにかしてしまいたくなるよ。

私が君だとか、周りの人だったらなんて言うんだろうね。

嬉しいな。
こんな時でも君は大丈夫だって言ってくれる。

でもね、ひっそりと傷を抱えさせる大丈夫だったとしたら、私はもはや犯罪者だよ。
自分の罪さえ自分一人で負えないなんてね。

わかったんだ。
私には、アイドルなんて届かない夢だってこと。
それに、自分が自分の思っている以上に小さい人間だってこと。
そのせいで、私が私でいるほどに他人を傷付けること。

だから私ね、アイドル辞めよっかなって。

これ以上続けても、メンバーやチームにも、周りの人……君にだって、迷惑を掛けるだけなんだなって。

君は、どこまでも味方してくれるんだね。

だけど、もう決めたことだから。
信じて、ずっと応援してくれた君には、謝らなくちゃいけないね。

相談って言って君のこと呼んだんだけどね、心の中では思ってるよりはっきり答えが出てるの。

自分のことは自分が一番わかってる。
周りが止めてくれたとしても、純粋に私自身も苦しくなるから。

このままアイドルにしがみついても、全てを失うだけ。
辛うじて活動はできたとしても、この世界、代わりなんていくらでもいる。
今浴びてる光はきっともう浴びられないし、君に合わせる顔だってなくなる。

そうなったとしたら。
そう、なったとしたら……

わかったこと、もうひとつあるんだ。
私、アイドルである前に人間なんだなって。

私としての、本来の日常までも捨てることなんてできない。
仮にも、君が欠けた世界なんて……そんなの、考えたくもない。

あれ?

だけど、それって、今も同じ……
写真撮られて、もう君には、返しきれないくらい迷惑かけてる。

なのに。

君が私のこと大切にしてくれる理由、なんてない。

そう……だよね。

嫌だ。

ねえ。

嫌だ。
嫌だよ。

私、どこにも居場所、なくなっちゃうのかな。
アイドル辞めて、君にもすがれなくなったら、私……

え?

いいの?

それでも、一緒にいてくれる?

本当に?

絶対?

そ、それって、何が、あっても?

じゃ、じゃあ、永……遠に?

あぁ……

優しいなぁ。
優しい。

私にはもったいないくらい。

そんな君だから、アイドルの立場捨ててでも失いたくないって思っちゃうんだ。

君がいたから頑張れた……

本当はそんなの、どんな姿でもよくって。

ただ、君と会ったとき、私がたまたまアイドルだっただけ。

君は、アイドルじゃない私でも、支えになってくれる?

だよね。
言ってくれると思った。

じゃあ……約束。
約束、してくれる?

君が言った通り、こんな私でも、いつまでも、大切にしてくれる。
そんな約束。

きっとね、私の居場所は最初から、沢山の人が注目するステージの上なんかじゃなかったんだよ。

そこ。

君の隣。

私の、居場所。

だから、そこにいても、いい……ですか?

……ありがとう。

きっとこれからも、君に、おんぶにだっこな私ですが。

 (SE:スマホ着信音)

ごめん、ちょっと席外すね。

 (以下、ひとりごと)

嬉しい……
私には釣り合わないくらい素敵な人。
あの日自分が飲みに誘ったせいなんて、そんな負い目、感じなくたっていいのに。

てか、友達に撮ってもらった写真、使うまでもなかったなぁ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
アイドルやってる女友達が週刊誌に俺といるところを撮られたらしい
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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