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月明かりの告白 ―あなたの傍(そば)にいられなくなる前に―
written by ねむりはり
  • 告白
  • 甘々
  • メイド
公開日2026年05月24日 02:31 更新日2026年05月24日 02:31
文字数
2697文字(約 9分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
メイド
視聴者役柄
ご主人様
場所
屋敷
あらすじ
五年間、主人に仕え続けてきた専属メイド。
常に完璧であろうと振る舞いながらも、彼女はずっと胸の奥に秘めた想いを隠し続けていた。
しかしある夜、彼女は突然「屋敷を辞める」と告げる。
感情を押し殺したまま傍(そば)にいることに限界を迎えた彼女は、最後の夜だけ“メイド”ではなく、“一人の女性”として本心を打ち明けることを決意する。
月明かりが差し込む静かな部屋で語られる、五年分の想い。
これは――
完璧なメイドが、最後に恋をさらけ出す、切なく優しい告白の物語。
本編
■ 導入(目安:3〜4分)

【SE】静かな邸宅の廊下を歩く足音(ヒールの硬い音・ゆっくり)

【SE】扉をノックする音(コン、コン、と二度)

(落ち着いた、しかしわずかに緊張をはらんだ声で)

……失礼いたします。

(扉を開ける音)

【SE】静かに扉が開く音

夜分(やぶん)に突然お部屋へ伺い、大変申し訳ございません。

もうお休みでしたでしょうか……。

いいえ、よかったです。

(少し安堵(あんど)した息をついて)

あの……本日は少しだけ、お時間をいただけますでしょうか。

お仕事のお話ではございません。

……私(わたくし)個人の、お話です。

(改まって、丁寧に)

私は、あなたの専属メイドとして、この邸宅(やしき)でお仕えしてきた者です。

あなたとの出会いは……そうですね、かれこれ五年になりますでしょうか。

(少し遠くを見るように、穏やかに)

あなたが初めてこちらにお越しになった日のことを、私(わたくし)はよく覚えております。

雨の日でした。

ずぶ濡れで馬車から降りてきたあなたは……ぶかぶかの外套(がいとう)を着て、髪から水を滴(したた)らせながら、それでも「よろしく頼む」と、私(わたくし)にまっすぐ目を向けてくださった。

(くすりと小さく笑って)

そのときの顔が……今でも忘れられないのです。

【SE】部屋の中、静寂。遠くに窓の外の虫の声

(丁寧に、しかし一歩踏み込んだ声で)

今夜は……この場所で、あなたに正直にお話しさせてください。

長いお話になるかもしれません。

でも……今夜を逃したら、きっと永遠に言えなくなってしまう気がして。

(一瞬、息を整えるように間をおいて)

……

どうか、最後まで聴いていただけますか。

■ パート①「完璧なメイドの裏側」(目安:7〜8分)

(いつもの凛とした口調で、静かに語り始める)

私(わたくし)はメイドとして、常に完璧であるよう務めてまいりました。

早朝に起き、邸内を整え、あなたのスケジュールを把握し、食事の好みも、休息のタイミングも、すべて把握した上でお仕えする。

それが私(わたくし)の仕事であり……誇りでした。

(少し間をおいて)

……

ですが。

(少し声のトーンを落として)

どこかから、私(わたくし)は気づいていたのです。

自分がただ「仕事として」動いていないことに。

(穏やかだが、少し打ち明け話をするように)

覚えていますか、あなたが初めて風邪(かぜ)を召された夜のことを。

三年前の秋でした。

あなたは熱があるのに書類を片付けようとして……私(わたくし)が「お休みください」と申し上げても、「もう少しだけ」と仰って。

(当時を思い出して、少し呆れた笑みが交じる)

仕方なく、私(わたくし)が書類を取り上げたのです。

「返してくれ」と仰るから……「お熱が下がったら返します」と言い張って。

(くすっと小さく笑って)

あのとき、あなたがとても困ったお顔をされていましたね。

でも、少しだけ……嬉しそうでもあった気がして。

(声が少しやわらかくなる)

その顔を見たとき、私(わたくし)の胸が、妙な動き方をしたのです。

……ドキドキ、なんていう言葉は、私(わたくし)には似合わないかもしれませんが。

確かに、そう感じました。

■ パート②「辞めるという決意と、溢れる感情」(目安:10〜12分)

(改まって、落ち着いているが、内に緊張をはらんだ声で)

実は本日……あなたに、ご報告しなければならないことがございます。

(一拍おいて)

……私(わたくし)、この邸宅(やしき)を辞することにいたしました。

(すぐに続けて、動揺させないよう穏やかな口調で)

驚かれましたか。

……そうですね、突然で申し訳ございません。

理由は……正直に申し上げます。

(少し声を落として、内緒話のように)

このまま傍(そば)にいたら、私(わたくし)はきっと……ある日、限界が来てしまうと思ったのです。

感情を押し込めておける器にも、限界がある。

これ以上あなたの傍(そば)にいて、毎日あなたの声を聞いて、あなたの笑顔を見て……それでもただのメイドとして振る舞い続けることが、

(声に少し苦しさが滲む)

……正直、もう、できないのだと気づいてしまったのです。

(吐息まじりに、声を落として)

……あなたのことが、好きです。

(長い沈黙)

……

(小さく笑うような息をついて)

……言えてしまいました。

五年間、ずっと言えなかった言葉が。

■ パート③「剥き出しの告白と、これからのこと」(目安:8〜9分)

(涙をこらえながら、真剣に向き直る)

改めて……申し上げます。

(はっきりと、しかし声は震えて)

私(わたくし)は、あなたのことが好きです。

メイドとして、ではなく。

ただの……一人の女として。

五年間、ずっと好きでした。

(泣きながら、でも真っ直ぐに)

でも……今夜だけは許してください。

今夜だけ、私(わたくし)をただの女にしてください。

メイドとしてではなく……あなたのことが好きな、ただの一人の女として、

(声が震えて)

……ちゃんとお伝えしたかった。

ずっと、ずっと……好きでした。

■ クロージング(目安:4〜5分)

【SE】静かな夜の虫の声

(涙の残る声で、でも温かく)

……ありがとうございます。

(ゆっくり、噛みしめるように)

あなたから、そんな言葉をいただける日が来るとは……思っていませんでした。

(囁くように、静かに)

一つだけ……お聴きしてもいいですか。

(少し間)

……

私(わたくし)のことを……ずっと、何も言わないでいたのは、なぜですか。

(少し笑いながら)

……そうですか。

あなたも……不器用(ぶきよう)なのですね。

(少し改まって、でも笑顔のある声で)

辞める件(けん)については……少し、考え直してもよいかもしれません。

ただし。

一つだけ条件(じょうけん)がございます。

(間)

……

私(わたくし)のことを、今後は……メイドとしてだけではなく、もう少し、近い距離(きょり)で見ていただけますか。

仕事とそうでない時間を、ほんの少しだけ……分けていただけたら。

(照れて少し声が小さくなる)

……今までより、もう少しだけ。

近い距離(きょり)で呼んでいただけたら、嬉しいです。

(やわらかく、温かく囁く)

あなたの傍(そば)に……もう少しだけ、いさせてください。

メイドとして、そして……あなたの好きな人として。

両方を、全力で務めさせていただきます。

(穏やかな声で)

それが私(わたくし)の……新しい誓(ちか)いです。

(最後、静かに、愛おしそうに囁いて)

……今夜話を聴いてくださって、ありがとうございました。

(一呼吸)

そして……

(声が震えながらも、はっきりと)

好きです。

(少し間)

……

(笑顔のある、温かい声で)

おやすみなさいませ。

良い夢を……。

(幸せそうに笑いながら)

……あなたの傍(そば)で、今夜はゆっくり眠れそうです。

【SE】静かに扉が閉まる音

【SE】廊下(ろうか)を歩く足音が遠ざかる

(遠くから、小さく聴こえるように)

……やっぱり、好きですよ。

(足音が遠ざかっていく)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
月明かりの告白 ―あなたの傍(そば)にいられなくなる前に―
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ねむりはり
ライター情報
はじめまして
趣味でただ私が聞きたいフリー台本を書き投稿しているオタクです。
「こういう台本が欲しかった」
「よかった」
と思ってもらえる作品を書けるように頑張っています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

◇フリー台本に関して
詳細な言葉遣いや言い回し、台本内のセリフの順番など、読みやすいように改変していただいて構いません。
性別変更及び、大元の流れが変わらない範囲でのアドリブ等も可能です。
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使用報告いただけると聴きに行きます。
よろしくお願いいたします。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡、ご相談ください。
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