- 純愛
- 喫茶店
- 雨
公開日2026年05月20日 23:04
更新日2026年05月20日 23:04
文字数
5012文字(約 16分43秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
喫茶店の店員
視聴者役柄
常連客
場所
喫茶店
あらすじ
雨の降る夜、閉店間際の喫茶店でひとりのお姉さんがそっとあなたに寄り添ってくれる
本編
■ 導入(目安:約3〜4分)
(店内に入ってくるドアベルの音。雨音がかすかに聞こえる。穏やかに、でも少し驚いたように)
あ……いらっしゃいませ。
……びしょ濡れじゃないですか。
(くすっと笑いながら)
傘、持ってなかったんですか?
今日、天気予報ずっと雨って言ってたのに。
……もう、しょうがないな。
(少し間)
……
あの、タオル持ってきますね。
ちょっとだけ待っていてください。
(小走りの足音。引き出しを開ける音。戻ってくる足音)
(やさしく)
はい、どうぞ。
よかったら拭いてください。
……あ、気にしないでください。
お店のものだから。
(カウンター越しに話しかけるように)
もうすぐ閉店時間なんですけど……
あと、ほんのちょっとだけ待ってもらえますか。
今日みたいな雨の日に、
「出ていってください」なんて言えないので。
……ふふ。
ちょっとだけ、特別ね。
(独り言のように、少し恥ずかしそうに)
……いつも来てくれてるから、というのもあるけど。
(はっとしたように)
あ、えっと。
注文、何にしますか?
今日のおすすめは……
ホットのカモミールティーです。
雨の日には、体を温めるものがいちばん。
……じゃあ、カモミールティーで。
(微笑みながら)
はい、ただいま。
(カップを置く音、湯を注ぐ音、スプーンがカチンと当たる音)
(丁寧に、やさしく)
どうぞ。
……熱いから、気をつけてくださいね。
……
私、雨(あめ)って名前なんです。
ふふ、よく変な顔されるんですけど。
今日みたいな日は、
なんとなく、自分の名前が好きになれる気がして。
……変ですよね、こんなこと言うの。
(少し照れながら)
でも……雨って、嫌いじゃないんですよ。
静かで、
世界が少し閉じてるみたいで。
こういう日だけ、
時間がゆっくり流れる気がして。
(窓の外を見るように、少し遠くを見るような声で)
ほら、今日も……
お客さん、あなただけでしょう。
こんな夜、嫌いじゃないな。
■ 本編パート①
〜 喫茶店の夜、ふたりだけの時間 〜
(目安:約8〜9分)
(カウンターを拭く音。穏やかに話しかけるように)
いつも、仕事帰りに来てくれますよね。
最初に来てくれたの……
もう、一年くらい前かな。
雨の日だったんですよ、あの日も。
ふふ、覚えてますか?
(少し笑って)
覚えてないですよね、きっと。
でも私、なんとなく覚えてるんです。
びしょ濡れで入ってきて、
「ホットコーヒーを」って言ったんです。
それだけなのに……
なんか、印象に残ってて。
……なんでだろうな、って思ってたんですけど。
(椅子を引く音。カウンターの内側に腰を落ち着けるように)
……あの日、すごく疲れた顔してたんですよ。
今日みたいに。
でも、コーヒーを一口飲んだあと、
ほっとした顔になって。
それが、なんか……
うれしかった。
(少し恥ずかしそうに早口で)
こういうこと、お客さんに言うべきじゃないですよね。
ちゃんとわかってるんですけど。
でも今日、
なんか、話したくなっちゃった。
雨のせいにしておきます。
(くすくすと笑って)
……ここ、小さいお店でしょう。
席も六つしかないし、
メニューだって多くない。
チェーン店みたいに便利じゃないし、
駅からも少し遠い。
でもね……
好きなんです、このお店。
(愛おしそうに)
マスターが作ったお店で、
私、高校のときからここでバイトしてるから。
もう、七年になるのかな。
マスターが体調崩してからは、
ほとんどひとりで回してるんですけど。
だから……
常連さんが来てくれると、すごくうれしくて。
……
(ちょっと間)
……
あなたが来てくれると、特に。
(はっとして、少し慌てたように)
……あ、えっと。
またカモミールティー、足しましょうか?
ちょうど冷めてきたくらいかな。
(ポットを傾ける音)
(気を取り直して、やわらかく)
雨音、聞こえますか?
……今日、けっこう強いですね。
ざあざあって、
窓に叩きつけてくる感じ。
(少し低く、耳元に近いように囁いて)
こういう夜って、なんか……
話したくなりません?
普段だったら言えないことも、
雨の音が全部かき消してくれそうで。
……私だけかな。
(くすっと笑う)
でも、こうやって誰かと話せるの……
久しぶりかもしれない。
閉店後は、
いつもひとりで後片付けして、
ひとりで帰るから。
(ふっと遠くを見るように)
雨の日の帰り道、
傘の中ってすごく孤独でしょう。
雨音が頭のすぐ上で鳴ってて、
でも誰もいなくて。
……なんかね、そのたびに思うんですよ。
誰かと一緒に帰れたらな、って。
(ぼそっと、独り言みたいに)
……誰か、って言っても、
漠然とじゃなくて。
(あわてて話題を変えるように)
あ、閉店の準備しますね。
でも、あなたはそのまま座っててください。
雨、まだ止みそうにないから。
■ 本編パート②
〜 閉店後、本音がこぼれ落ちる 〜
(目安:約8〜9分)
(椅子を重ねる音、カーテンを引く音、ドアの鍵をかける音)
(ほっとしたように)
……よし。
お疲れ様でした、私。
(少し砕けた口調で)
ふふ、なんか変ですよね。
閉店後もこうしてここにいるの。
でも……いいか、って思って。
(カウンターの中から出て、隣に座るように近づいてくる気配)
あの……
隣、座ってもいいですか。
こっちの席、今日はお客さんひとりだから。
(スツールを引く音)
(少し近い距離で、やわらかく)
すこし、雨が弱くなってきたかな……
でも、まだしばらくかかりそう。
……よかった。
(はっとして)
あ、よかったって言ったら変ですよね。
足止めしてしまってるのに。
(苦笑いして)
ごめんなさい。
でも……本音なんです。
(少し間を置いて)
……
(低く、静かに)
あなたと、もう少し話せるから。
……
ねえ、聞いてもいいですか。
いつも、仕事帰りにここへ来てくれるじゃないですか。
ひとりで。
……家、遠いわけじゃないですよね。
たしかここから歩いて行ける距離って言ってた。
なのに、わざわざ寄り道してくれる。
(少し真剣に)
それって、なんでですか?
……
ふふ、ごめんなさい。
急に変なこと聞いて。
答えなくていいんですよ、別に。
……でも、聞きたかった。
(静かに雨音が聞こえる中、少し待つように)
……
(柔らかく微笑んで)
そっか。
……疲れたとき、
落ち着ける場所があるといい、って。
そう思って来てくれてたんですね。
(じんとするように)
……それ、すごく……うれしい。
あの、変に思わないでほしいんですけど。
このお店が、
あなたにとってそういう場所になってたんだって思ったら……
なんか、胸が温かくなって。
(少しだけ声が震えるように)
マスターが病気になってから、
閉めようかって話も出たんです。
このお店。
でも……
来てくれるひとがいる限り、
続けようって決めたから。
(ゆっくりと)
……あなたも、そのひとりで。
……
(照れを隠すように笑って)
なんか、重い話しちゃいましたね。
こういう夜は、
思ってること全部しゃべりたくなる。
(囁くように、耳元に近いイメージで)
でも、あなたがちゃんと聞いてくれてるから。
だから、もう少しだけ……
話させてください。
……
私ね、ずっと……
誰かに頼ることが、苦手だったんですよ。
ここでひとりでやってるのも、
強いからじゃなくて。
誰かを頼ったら、
その人がいなくなったとき、
もっとつらくなるから。
(少し切なそうに)
……だから、
ずっとひとりがいいって思ってた。
でも……
(ふっと息を吐いて)
あなたが来るようになってから、
閉店時間が近づくと、
窓の方をちらちら見てる自分に気づいて。
今日は来るかな、って。
……雨の日でも、来てくれるかな、って。
(少し恥ずかしそうに小さな声で)
来るたびに、うれしかった。
ちゃんと顔に出さないようにしてたつもりだったんですけど……
バレてましたか?
(少し笑って)
……バレてなかったか。
よかった。
でも今日は、
もう言ってもいい気がして。
(まっすぐに、でも少し緊張しながら)
あなたのこと……
ずっと、気になってました。
ずっと、来てほしかった。
あなたが来てくれる日だけ、
なんか、お店がちゃんと輝いてる気がして。
……
変ですよね、こんなこと言うの。
店員がお客さんに。
(静かに、でもしっかりと)
でも……もう正直に言います。
■ 本編パート③
〜 告白、雨の中の本音 〜
(目安:約8分)
(少しだけ深呼吸して)
……好きです。
(静かな雨音)
…………
(少し照れながらも、真剣に)
ずっと言えなかった。
店員とお客さんだから、って。
立場があるから、って。
でも今日……
雨で誰もいなくて、
ふたりだけで、
こんなに近くにいたら。
……もう、抑えられなくて。
(少し早口になりながら)
笑わないでくださいね。
急すぎるのも、わかってます。
七年、ここで働いて、
こんな気持ちになったのは初めてで。
だから余計に……
うまく言えなくて。
(ゆっくりと、深く)
……
あなたが疲れた顔で来るたびに、
少しでも温かい気持ちになってほしかった。
コーヒー一杯でも、
ここに来てよかったって思ってほしかった。
それは、ずっと、
お店のためじゃなくて。
……あなたのためだったんです。
(少し沈黙。雨音が響く)
……
(ぽつりと)
返事は……
急がなくていいですよ。
こんな突然のこと言っておいて、
身勝手だけど。
でも、嘘はつきたくなかった。
今日みたいな夜に、
あなたと、正直に話したかった。
(やわらかく微笑んで)
……もし気持ち悪かったら、
もう来なくてもいいです。
……なんて、言えないな。
また来てほしい。
あなたに来てほしい。
(笑いながら、少し泣きそうに)
……全然かっこよくないですね、私。
…………
(少し間)
……
(その言葉を受けて、驚いたように)
え……
(信じられないように)
……ずっと、私のことが気になってた?
(小さな声で)
……本当に?
(ほろりとした笑い声)
……よかった。
(くすっと笑って、少し涙まじりに)
あんなに自分に言い聞かせてたのに。
来るたびにちゃんと接客できてたか、
変な顔してなかったか、
ずっとどきどきしてたのに。
あなたも……
そうだったんですか。
(やわらかく、温かく)
……雨に、感謝しないといけないな。
今日、雨じゃなかったら、
こんな話できてなかった。
(囁くように)
傘、忘れてくれてよかった。
(くすくす笑って)
……雨が上がったら、どうします?
一緒に帰りませんか。
……傘、私の持っていくから。
(ふっと息を吐いて、やわらかく)
ずっと思ってたんです。
誰かと並んで、
同じ傘に入って帰りたいって。
……それが、あなたがいい。
(少し照れて、でもまっすぐに)
いつも仕事帰りに寄ってくれてたでしょう。
これからは……
帰り、ここで待っていてくれませんか。
閉店したら、一緒に帰りましょう。
雨の日も、晴れの日も。
(少し笑って)
私の名前、「雨」でしょう。
だから……
雨の日は特別にしましょうね。
■ クロージング
〜 雨が上がる前に 〜
(目安:約4〜5分)
(窓の外を見て、静かに)
……あ。
少し、弱くなってきた。
(ふふ、と微笑んで)
もうちょっとだけ、
降っててくれたらいいのに。
……贅沢ですね。
(隣に座ったまま、温かい距離感で)
でも……もう大丈夫か。
こうして話せたから。
(ゆったりと、しみじみと)
ここに来てくれて、ありがとうございます。
雨の日に、
傘も持たないで。
……おかげで、言えた。
(少し照れながら)
これからも……
来てくれますよね。
今度は、店員としてだけじゃなくて。
……うん。
それが、うれしい。
(カップを手に取る音)
カモミールティー、
もうすっかり冷めちゃいましたね。
新しいの、入れましょうか。
(くすっと笑って)
……今日最後の一杯。
特別サービスです。
(湯を注ぐ音、カップを置く音)
(やさしく、耳元に近いように囁いて)
……ねえ、聞こえますか。
雨音、だんだん小さくなってる。
(静かに、じんわりと温かく)
このまま……
もう少し、こうしていましょう。
雨が上がるまで。
傘の用意ができたら、一緒に出ましょう。
帰り道、どのくらいかかりますか。
……そっか。
じゃあ、ゆっくり歩けますね。
(ほっこりと)
水たまり、
なるべく避けながら。
でも、少しくらい濡れてもいっか。
……一緒なら。
(少し照れて)
あ、またこんなこと言っちゃった。
(笑い声、でもうれしそうに)
……もう隠さなくていいですよね。
(静かに、でも確かな温度で)
好きです。
ちゃんと、もう一回言っておきたくて。
……今度は、ちゃんと返事、聞かせてください。
(少し間)
……
(じんわりと微笑んで)
……ありがとう。
(雨音がさらに遠くなる。静かな余韻)
……雨、上がりそうです。
(立ち上がりながら)
行きましょうか。
私の傘、青いやつなんですけど……
あなた、似合うと思って。
(くすっと笑って)
……ふふ。
変なこと言ってごめんなさい。
(コートを手に取る音、鍵を持つ音)
(ドアのところで、振り返るように)
ねえ……
今日来てくれて、よかった。
本当に。
(静かに、温かく)
……行きましょう。
雨上がりの道、一緒に。
(ドアを開ける音。かすかに残る雨のにおい。遠くで水音)
(優しく、最後に)
……おやすみなさい、なんて言わなくていいですよね。
まだ一緒にいるから。
ふふ。
(足音がゆっくりと遠ざかる。雨音、静かにフェードアウト)
(店内に入ってくるドアベルの音。雨音がかすかに聞こえる。穏やかに、でも少し驚いたように)
あ……いらっしゃいませ。
……びしょ濡れじゃないですか。
(くすっと笑いながら)
傘、持ってなかったんですか?
今日、天気予報ずっと雨って言ってたのに。
……もう、しょうがないな。
(少し間)
……
あの、タオル持ってきますね。
ちょっとだけ待っていてください。
(小走りの足音。引き出しを開ける音。戻ってくる足音)
(やさしく)
はい、どうぞ。
よかったら拭いてください。
……あ、気にしないでください。
お店のものだから。
(カウンター越しに話しかけるように)
もうすぐ閉店時間なんですけど……
あと、ほんのちょっとだけ待ってもらえますか。
今日みたいな雨の日に、
「出ていってください」なんて言えないので。
……ふふ。
ちょっとだけ、特別ね。
(独り言のように、少し恥ずかしそうに)
……いつも来てくれてるから、というのもあるけど。
(はっとしたように)
あ、えっと。
注文、何にしますか?
今日のおすすめは……
ホットのカモミールティーです。
雨の日には、体を温めるものがいちばん。
……じゃあ、カモミールティーで。
(微笑みながら)
はい、ただいま。
(カップを置く音、湯を注ぐ音、スプーンがカチンと当たる音)
(丁寧に、やさしく)
どうぞ。
……熱いから、気をつけてくださいね。
……
私、雨(あめ)って名前なんです。
ふふ、よく変な顔されるんですけど。
今日みたいな日は、
なんとなく、自分の名前が好きになれる気がして。
……変ですよね、こんなこと言うの。
(少し照れながら)
でも……雨って、嫌いじゃないんですよ。
静かで、
世界が少し閉じてるみたいで。
こういう日だけ、
時間がゆっくり流れる気がして。
(窓の外を見るように、少し遠くを見るような声で)
ほら、今日も……
お客さん、あなただけでしょう。
こんな夜、嫌いじゃないな。
■ 本編パート①
〜 喫茶店の夜、ふたりだけの時間 〜
(目安:約8〜9分)
(カウンターを拭く音。穏やかに話しかけるように)
いつも、仕事帰りに来てくれますよね。
最初に来てくれたの……
もう、一年くらい前かな。
雨の日だったんですよ、あの日も。
ふふ、覚えてますか?
(少し笑って)
覚えてないですよね、きっと。
でも私、なんとなく覚えてるんです。
びしょ濡れで入ってきて、
「ホットコーヒーを」って言ったんです。
それだけなのに……
なんか、印象に残ってて。
……なんでだろうな、って思ってたんですけど。
(椅子を引く音。カウンターの内側に腰を落ち着けるように)
……あの日、すごく疲れた顔してたんですよ。
今日みたいに。
でも、コーヒーを一口飲んだあと、
ほっとした顔になって。
それが、なんか……
うれしかった。
(少し恥ずかしそうに早口で)
こういうこと、お客さんに言うべきじゃないですよね。
ちゃんとわかってるんですけど。
でも今日、
なんか、話したくなっちゃった。
雨のせいにしておきます。
(くすくすと笑って)
……ここ、小さいお店でしょう。
席も六つしかないし、
メニューだって多くない。
チェーン店みたいに便利じゃないし、
駅からも少し遠い。
でもね……
好きなんです、このお店。
(愛おしそうに)
マスターが作ったお店で、
私、高校のときからここでバイトしてるから。
もう、七年になるのかな。
マスターが体調崩してからは、
ほとんどひとりで回してるんですけど。
だから……
常連さんが来てくれると、すごくうれしくて。
……
(ちょっと間)
……
あなたが来てくれると、特に。
(はっとして、少し慌てたように)
……あ、えっと。
またカモミールティー、足しましょうか?
ちょうど冷めてきたくらいかな。
(ポットを傾ける音)
(気を取り直して、やわらかく)
雨音、聞こえますか?
……今日、けっこう強いですね。
ざあざあって、
窓に叩きつけてくる感じ。
(少し低く、耳元に近いように囁いて)
こういう夜って、なんか……
話したくなりません?
普段だったら言えないことも、
雨の音が全部かき消してくれそうで。
……私だけかな。
(くすっと笑う)
でも、こうやって誰かと話せるの……
久しぶりかもしれない。
閉店後は、
いつもひとりで後片付けして、
ひとりで帰るから。
(ふっと遠くを見るように)
雨の日の帰り道、
傘の中ってすごく孤独でしょう。
雨音が頭のすぐ上で鳴ってて、
でも誰もいなくて。
……なんかね、そのたびに思うんですよ。
誰かと一緒に帰れたらな、って。
(ぼそっと、独り言みたいに)
……誰か、って言っても、
漠然とじゃなくて。
(あわてて話題を変えるように)
あ、閉店の準備しますね。
でも、あなたはそのまま座っててください。
雨、まだ止みそうにないから。
■ 本編パート②
〜 閉店後、本音がこぼれ落ちる 〜
(目安:約8〜9分)
(椅子を重ねる音、カーテンを引く音、ドアの鍵をかける音)
(ほっとしたように)
……よし。
お疲れ様でした、私。
(少し砕けた口調で)
ふふ、なんか変ですよね。
閉店後もこうしてここにいるの。
でも……いいか、って思って。
(カウンターの中から出て、隣に座るように近づいてくる気配)
あの……
隣、座ってもいいですか。
こっちの席、今日はお客さんひとりだから。
(スツールを引く音)
(少し近い距離で、やわらかく)
すこし、雨が弱くなってきたかな……
でも、まだしばらくかかりそう。
……よかった。
(はっとして)
あ、よかったって言ったら変ですよね。
足止めしてしまってるのに。
(苦笑いして)
ごめんなさい。
でも……本音なんです。
(少し間を置いて)
……
(低く、静かに)
あなたと、もう少し話せるから。
……
ねえ、聞いてもいいですか。
いつも、仕事帰りにここへ来てくれるじゃないですか。
ひとりで。
……家、遠いわけじゃないですよね。
たしかここから歩いて行ける距離って言ってた。
なのに、わざわざ寄り道してくれる。
(少し真剣に)
それって、なんでですか?
……
ふふ、ごめんなさい。
急に変なこと聞いて。
答えなくていいんですよ、別に。
……でも、聞きたかった。
(静かに雨音が聞こえる中、少し待つように)
……
(柔らかく微笑んで)
そっか。
……疲れたとき、
落ち着ける場所があるといい、って。
そう思って来てくれてたんですね。
(じんとするように)
……それ、すごく……うれしい。
あの、変に思わないでほしいんですけど。
このお店が、
あなたにとってそういう場所になってたんだって思ったら……
なんか、胸が温かくなって。
(少しだけ声が震えるように)
マスターが病気になってから、
閉めようかって話も出たんです。
このお店。
でも……
来てくれるひとがいる限り、
続けようって決めたから。
(ゆっくりと)
……あなたも、そのひとりで。
……
(照れを隠すように笑って)
なんか、重い話しちゃいましたね。
こういう夜は、
思ってること全部しゃべりたくなる。
(囁くように、耳元に近いイメージで)
でも、あなたがちゃんと聞いてくれてるから。
だから、もう少しだけ……
話させてください。
……
私ね、ずっと……
誰かに頼ることが、苦手だったんですよ。
ここでひとりでやってるのも、
強いからじゃなくて。
誰かを頼ったら、
その人がいなくなったとき、
もっとつらくなるから。
(少し切なそうに)
……だから、
ずっとひとりがいいって思ってた。
でも……
(ふっと息を吐いて)
あなたが来るようになってから、
閉店時間が近づくと、
窓の方をちらちら見てる自分に気づいて。
今日は来るかな、って。
……雨の日でも、来てくれるかな、って。
(少し恥ずかしそうに小さな声で)
来るたびに、うれしかった。
ちゃんと顔に出さないようにしてたつもりだったんですけど……
バレてましたか?
(少し笑って)
……バレてなかったか。
よかった。
でも今日は、
もう言ってもいい気がして。
(まっすぐに、でも少し緊張しながら)
あなたのこと……
ずっと、気になってました。
ずっと、来てほしかった。
あなたが来てくれる日だけ、
なんか、お店がちゃんと輝いてる気がして。
……
変ですよね、こんなこと言うの。
店員がお客さんに。
(静かに、でもしっかりと)
でも……もう正直に言います。
■ 本編パート③
〜 告白、雨の中の本音 〜
(目安:約8分)
(少しだけ深呼吸して)
……好きです。
(静かな雨音)
…………
(少し照れながらも、真剣に)
ずっと言えなかった。
店員とお客さんだから、って。
立場があるから、って。
でも今日……
雨で誰もいなくて、
ふたりだけで、
こんなに近くにいたら。
……もう、抑えられなくて。
(少し早口になりながら)
笑わないでくださいね。
急すぎるのも、わかってます。
七年、ここで働いて、
こんな気持ちになったのは初めてで。
だから余計に……
うまく言えなくて。
(ゆっくりと、深く)
……
あなたが疲れた顔で来るたびに、
少しでも温かい気持ちになってほしかった。
コーヒー一杯でも、
ここに来てよかったって思ってほしかった。
それは、ずっと、
お店のためじゃなくて。
……あなたのためだったんです。
(少し沈黙。雨音が響く)
……
(ぽつりと)
返事は……
急がなくていいですよ。
こんな突然のこと言っておいて、
身勝手だけど。
でも、嘘はつきたくなかった。
今日みたいな夜に、
あなたと、正直に話したかった。
(やわらかく微笑んで)
……もし気持ち悪かったら、
もう来なくてもいいです。
……なんて、言えないな。
また来てほしい。
あなたに来てほしい。
(笑いながら、少し泣きそうに)
……全然かっこよくないですね、私。
…………
(少し間)
……
(その言葉を受けて、驚いたように)
え……
(信じられないように)
……ずっと、私のことが気になってた?
(小さな声で)
……本当に?
(ほろりとした笑い声)
……よかった。
(くすっと笑って、少し涙まじりに)
あんなに自分に言い聞かせてたのに。
来るたびにちゃんと接客できてたか、
変な顔してなかったか、
ずっとどきどきしてたのに。
あなたも……
そうだったんですか。
(やわらかく、温かく)
……雨に、感謝しないといけないな。
今日、雨じゃなかったら、
こんな話できてなかった。
(囁くように)
傘、忘れてくれてよかった。
(くすくす笑って)
……雨が上がったら、どうします?
一緒に帰りませんか。
……傘、私の持っていくから。
(ふっと息を吐いて、やわらかく)
ずっと思ってたんです。
誰かと並んで、
同じ傘に入って帰りたいって。
……それが、あなたがいい。
(少し照れて、でもまっすぐに)
いつも仕事帰りに寄ってくれてたでしょう。
これからは……
帰り、ここで待っていてくれませんか。
閉店したら、一緒に帰りましょう。
雨の日も、晴れの日も。
(少し笑って)
私の名前、「雨」でしょう。
だから……
雨の日は特別にしましょうね。
■ クロージング
〜 雨が上がる前に 〜
(目安:約4〜5分)
(窓の外を見て、静かに)
……あ。
少し、弱くなってきた。
(ふふ、と微笑んで)
もうちょっとだけ、
降っててくれたらいいのに。
……贅沢ですね。
(隣に座ったまま、温かい距離感で)
でも……もう大丈夫か。
こうして話せたから。
(ゆったりと、しみじみと)
ここに来てくれて、ありがとうございます。
雨の日に、
傘も持たないで。
……おかげで、言えた。
(少し照れながら)
これからも……
来てくれますよね。
今度は、店員としてだけじゃなくて。
……うん。
それが、うれしい。
(カップを手に取る音)
カモミールティー、
もうすっかり冷めちゃいましたね。
新しいの、入れましょうか。
(くすっと笑って)
……今日最後の一杯。
特別サービスです。
(湯を注ぐ音、カップを置く音)
(やさしく、耳元に近いように囁いて)
……ねえ、聞こえますか。
雨音、だんだん小さくなってる。
(静かに、じんわりと温かく)
このまま……
もう少し、こうしていましょう。
雨が上がるまで。
傘の用意ができたら、一緒に出ましょう。
帰り道、どのくらいかかりますか。
……そっか。
じゃあ、ゆっくり歩けますね。
(ほっこりと)
水たまり、
なるべく避けながら。
でも、少しくらい濡れてもいっか。
……一緒なら。
(少し照れて)
あ、またこんなこと言っちゃった。
(笑い声、でもうれしそうに)
……もう隠さなくていいですよね。
(静かに、でも確かな温度で)
好きです。
ちゃんと、もう一回言っておきたくて。
……今度は、ちゃんと返事、聞かせてください。
(少し間)
……
(じんわりと微笑んで)
……ありがとう。
(雨音がさらに遠くなる。静かな余韻)
……雨、上がりそうです。
(立ち上がりながら)
行きましょうか。
私の傘、青いやつなんですけど……
あなた、似合うと思って。
(くすっと笑って)
……ふふ。
変なこと言ってごめんなさい。
(コートを手に取る音、鍵を持つ音)
(ドアのところで、振り返るように)
ねえ……
今日来てくれて、よかった。
本当に。
(静かに、温かく)
……行きましょう。
雨上がりの道、一緒に。
(ドアを開ける音。かすかに残る雨のにおい。遠くで水音)
(優しく、最後に)
……おやすみなさい、なんて言わなくていいですよね。
まだ一緒にいるから。
ふふ。
(足音がゆっくりと遠ざかる。雨音、静かにフェードアウト)
クレジット
ライター情報
はじめまして
趣味でただ私が聞きたいフリー台本を書き投稿しているオタクです。
「こういう台本が欲しかった」
「よかった」
と思ってもらえる作品を書けるように頑張っています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
◇フリー台本に関して
詳細な言葉遣いや言い回し、台本内のセリフの順番など、読みやすいように改変していただいて構いません。
性別変更及び、大元の流れが変わらない範囲でのアドリブ等も可能です。
使用時は作者名+作品リンクのクレジット表記をお願いします。
使用報告いただけると聴きに行きます。
よろしくお願いいたします。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡、ご相談ください。
趣味でただ私が聞きたいフリー台本を書き投稿しているオタクです。
「こういう台本が欲しかった」
「よかった」
と思ってもらえる作品を書けるように頑張っています。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
◇フリー台本に関して
詳細な言葉遣いや言い回し、台本内のセリフの順番など、読みやすいように改変していただいて構いません。
性別変更及び、大元の流れが変わらない範囲でのアドリブ等も可能です。
使用時は作者名+作品リンクのクレジット表記をお願いします。
使用報告いただけると聴きに行きます。
よろしくお願いいたします。
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