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【耳かき】離れの雪女
written by トゲマル
  • 耳かき
  • 敬語
  • お姉さん
  • 年上
  • 人外 / モンスター
公開日2025年07月28日 20:19 更新日2025年07月28日 20:19
文字数
2043文字(約 6分49秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
雪女
視聴者役柄
指定なし
場所
田舎の邸宅の離れ
あらすじ
夏休みに田舎の祖母の家にやってきたあなた(聞き手)。
何をするでもなく過ごしていると、祖母が突然「離れに行って話を聞いてきなさい」と言ってアイスの詰まった袋を渡してきた。
近くの林の中にある離れには、近付くなと昔から言いつけられている。
祖母に聞いてもそれ以上何も話してくれず、仕方なく離れに向かうことにした。

木々の間に佇む離れの周辺は、緑に囲まれているというだけでは不自然なほど涼しく感じた。

〇台本内指示
【】内は効果音を示します。
<>内は演者の動作やバイノーラルの位置などを示します。
…(三点リーダー)のみの行は聞き手の返事の間を示します。
本編
【引き戸が開く】

あら…こんにちは
ここには来ないように言われませんでした?



ああ、アイスを
ありがとうございます
まずは上がってください
アイスが溶けちゃいますから

【引き戸が閉じる】

あなたはこの家のおばあちゃんの…お孫さん、ですよね?
私ですか?私はおばあちゃんの…友達…ですかね
…何も聞かないんですか?



はあ、話を聞いてこい、ですか
ふふ…考えたものですね
いえ、なんでも
あ、袋、いただいていいですか?

【袋を手渡す】

ありがとうございます
さて今年は…

【袋をあさる】

キウイ…ライチ…アテモヤ?初めて見る名前ですね
パチパチラムネ…アイスがパチパチして嬉しいんでしょうか
玄米茶入り抹茶ラテ…?なんでも混ぜればいいってものじゃないと思いますが…

ああ、すみません
新商品があれば入れてもらうようにお願いしてるんですよ
変わったものが毎年いっぱいあって、面白いでしょう?
あなたはどれがいいですか?
定番のものもありますよ



ええ、もちろん
お駄賃ですよ
まあ、あなたのおばあちゃんが買ったものですが
アイスを食べたら私のこと、お話しします


----------------------


<位置:一人分くらい開けた隣>

うーん…なんだかよくわからない味でした
一口目は真新しいのですが…まあ、限定商品はこういうものですね
ときどき当たりもあるんですが、翌年はだいたい無くなってるそうです

ああ、それで…私のことでしたね
うーん…
そうだ、お話しする前に…暑くはないですか?
アイスを食べたとはいっても、人にはこたえる暑さでしょう
そばに来てください

<位置:すぐ隣>

では…よいしょ

<膝枕する>

涼しいでしょう?
…私はあなたたちが言うところの、雪女です



ええ、人が妖怪と呼ぶ、雪女

<耳を触る>

びっくりしました?
この冷たさで、信じていただけたらいいのですが



あら、話が早いですね
雪でも降らしてあげないといけないかと思っていたのですけど
どこか超然としてるのはあの子譲りですね
あとは…おばあちゃんとの約束についてですか

ところで…お耳触られるの、気持ちいいんですか?
心地よさそうに見えますから
そうだ、耳かきをしてもいいですか?
お話をする間、手持ち無沙汰ですから



はい、それでは…


【耳かき(金属製耳かき棒)】

どうですか?
この耳かき棒、金属でできているのでひんやりするでしょう
ここの物置にいろいろなものが置いてあるんです
母屋で使わなくなったものをここに持ってきているのでしょうね

<間:任意>

昔、あなたのおばあちゃんと約束をしました
ここの近くは冬になると、ときどき大きな吹雪になります
ある時、あなたのおばあちゃんがどこからか私を見つけて、冬山の中を会いに来たんです
どうか吹雪を吹かせるのをやめてください、私に払えるものなら何でも差し出します…と
まあ、私が吹雪を吹かせているわけではないのですけど…
命を懸けて村を守ろうとするあの子の心意気を買って、助けてあげることにしたんです
対価を求めてそうしたわけじゃないんですが、何かさせてくれって言って聞かないものだから…
人間が夏に食べている凍ったお菓子…アイスに興味があったので、それを持ってきてほしいとお願いしました
それから、冬に大きな吹雪があったら助けてあげる代わりに、夏にアイスを貰う約束をしたんです

<間:任意>

さて、次はこれをしましょうか
梵天…というのですよね?

【梵天】

アイスは素敵な食べ物ですね
甘くて冷たくて、風味も形も食感も様々
飽きることがありません
新たなものが現れては消えて、かと思えばずっと変わらないものも
人の考えることはよくわかりませんが…
暑くなると涼を求めるのは、私と同じようですね

<耳ふー>

あら…冷たすぎましたか?



そうですか
でしたら、もう少し

<耳ふー:数回>

ふふ、では反対をしましょうか


<位置:反対に移動(頭を反対に動かす)>
【耳かき(金属製耳かき棒)】

おばあちゃん、足を悪くしているのでしょう?
去年までアイスを持ってきてくれていたのですが、悩んでいる様子でした
あなたに預けたということは、判断を任せたのでしょう

約束は2つ
1つは夏になったら、ここにアイスを持ってくること
新商品があれば入れてもらえると嬉しいです
もう1つは、この約束と私のことを誰にも話さないこと
あなたが約束を守らなかったとしても、村やあなたを害するつもりはありません
自然との在り方が、元の形に戻るだけ

<間:任意>

はい、次は梵天

【梵天】

そうですね、あとは…来た時に少し話し相手になってください
代わりにアイスを…あ、アイスはあなた持ちですね
うーん…じゃあ、耳かきをしてあげます
結構気に入っているようですし

<間:任意>

おばあちゃんは、あまり話をしたがりませんでした
付き合いが長くても、あの子にとって私は畏怖の対象だったのかもしれませんね
初めて会った時はいきなり外から人間が来たものだから、ちょっと威厳を出してみようかな~、なんて…
その気になれば、吐息一つであなたを氷漬けにすることも…できなくはないですよ?

<耳ふー>

そんなに身構えて、どうかしましたか?ふふ

<耳ふー:数回>

はい、おしまい
もう少しゆっくりしていきますか?



構いませんよ
今は一番暑いですから、少し涼しくなるまで…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【耳かき】離れの雪女
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
トゲマル
ライター情報
趣味で台本を始めてみました。
絵も多少描けます。
連絡相談等ありましたらX(https://x.com/toge_ma_ru)までお願いします。
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