0
雨男~深夜の人影~※妖怪×人間※
written by 柊むーす
  • 甘々
  • ファンタジー
  • 敬語
公開日2021年08月05日 17:26 更新日2021年08月25日 22:51
文字数
2245文字(約 7分29秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
妖怪
視聴者役柄
人間(記者)
場所
山奥
あらすじ
深夜に目撃される謎の男は「優しい妖怪」だった。噂を聞きつけた女性記者がその一帯を探し当てる。
※一人称変更・アドリブ追加OK
本編
「ふぅ、ここまで肩を貸していただき
ありがとうございました。

まさかこんな僻地な山に登ってくる方がいるなんて
僕はなんて幸運なんでしょうか。

……そこの山小屋に寝泊まりする予定なので
ここで大丈夫ですよ。
この足はかすり傷にも及びません。
日が昇る頃には痛みもひいてる事でしょう。

そんな事より、山奥にいらっしゃるには随分軽装ですが
山以外に用事がおありで?
……夜分にお一人でどこに行かれるのです?
……巷で噂の調査?
お美しい方ですし、野蛮なやつに襲われぬよう
十分警戒さなって下さい。

手にしている懐中電灯のみでは心もとないでしょう。
ご迷惑でなければ、鞄に入っているペンライトを3本ほど
お貸ししますよ。
いえいえ、僕は朝を迎え下山するだけですから心配なさらず。
何か危険があればこの小屋まで呼びに来てください。
すぐにかけつけます。
……それではお気をつけて」

SE:足音

「おや、貴女!
リュックサックの開いたチャックから
ペットボトルが転がっていきましたよ!

……崖の中腹の木々に引っかかったか、落下したようですね。
月のないこの夜に、探すのは難しいでしょう。
他に飲み物はお持ちですか?
……あいにく僕も持っていないのです。
コンビニエンスストアは小一時間先にありますし
近くに川もありません。
……この数年で砂が増え砂漠のようになり
川が自体が埋もれてしまった、と言われています。

この暑さでは、貴女の体に負荷がかかるでしょうし
日が昇るまで共に休みましょう」

SE:衣擦れ音

「小屋に寝袋が常備されていて良かった。こちらは貴女のです、どうぞ。
……こんな状況で不謹慎ですが、こんなに綺麗な貴女と
一夜を共にできるというのは、なんという果報者でしょう。
……おや、何か含みがあるように感じましたか?

……普段女性と関わる事が少ないので
舞い上がってしまったようです。
どうぞ、無礼な発言をお許しください。
……ははは、こんなに話しかけられたら、眠れないでしょう?
少々外の空気を吸ってきます。
……ええ、おやすみなさい」

SE:ドアの閉まる音

「虫の鳴き声も聞こえなければ、鳥などの生き物の姿もありゃしない。
噂以上に干ばつが広がっているな。
今の力でどうにかできるだろうか。
……くっ(祈りを捧げながら強く歯を食いしばる)
はぁ、はぁ、雨雲すら満足に呼べないのか……僕は……。

貴女、どうしました!?
ひどく喉が渇き呼吸が苦しい!?
……慌てず深呼吸をして下さい!

……僕がいない隙を突いてきたか……。
そうだ!指にすくった僕の涙を舐めてください。
……さあ、もう2、3粒飲み込むのです。
……これだけじゃ足りない、か。

初対面でこういう事をするのは性に合いませんが
一刻を争う今、余計な考えは捨てなければいけませんね。
……唇を薄く開けて下さい。

ちゅっ、ちゅ、ちゅっ……(ディープキス)
……はぁ……もっと、溢れ出す僕の唾液を
体の中に流し込むのです。
……何故、先ほどより呼吸を苦しそうにしているのです?
ああ、炎天下で熟れる林檎のように頬が熱い。
……まだ苦しそうですね。
もしや、これだけでは足りないのでしょうか。

血液ならその飢えを解消できるかもしれない!
舌を噛み切って、貴女の咥内へ注ぎ込みましょう。
……くっ、ぅ……舌先に鉄を感じる程度しか……
(舌を自力で嚙み切ろうと苦戦する)
平気、です、貴女を……助けたいっ……!

目の前で困っている、人がいれば、助けるのが
僕の正義、なんです……
はぁ、はぁ……
これじゃ、だめだ、もっと、出さなきゃ、だめなんだ……!」

SE:嵐のような雨音

「はっ!?この屋根を叩く音は、雨!?雨だっ!
抱きかかえますよ!
僕の首に腕を回して!

……思う存分、口を開いて天の恵みを体内へ!
まさか気持ちの高まりで祈りが成功するなんて。
これで、数年は水に困らないだろう。

……だいぶ落ち着いてきましたね。今地面に降ろします。
……先ほどは何故僕の体液を飲ませたのか?
……へ、変態ではありませんっ!性趣向は割とノーマルで、ってそういうことではなく!
このままでは僕の名誉に関わりますね。

あの息苦しさは、何者かのイタズラで喉が引っ付いたせいです。
なので、それを解消させるための薬を飲んでいただきました。

……もっと詳しく聞かせて欲しい?
……その録音レコーダーは……!?
もしかして、貴女、雑誌の記者ですか。
探している巷の噂とは「雨にまつわる不思議な話」だったりしませんか?
……やはりそうでしたか。

この一帯は妖怪の仕業で干ばつに陥っていたのです。
そういった各地の水不足の救済の為だけに、現れる妖怪もいる。
……ええ、僕がその雨男(あめおとこ)です。
この数年、激しい太陽の活動により
一部の妖怪は力が弱小しているのです。
なので、雨を降らせるのにかなり苦戦しました。

……これ以上の質疑には、お答えできません。
本来このような関りは、我々の世界でタブーとされています。
互いの姿を目視し、触れ合う事は、あってはならないのですよ。

その柔らかい唇に触れた時、貴女の体を
指先で隅々まで確認したいと思ってしまった。
決して許されない感情です(独り言のようにぼそぼそ話す)

貴女と会えた事は、決して忘れません。
ですが『人間』には忘れて貰う必要があります。
僕の手のひらを、貴女の額にかざして──

……そんなに強く腕を掴まれたら折れます!
……『他言しない』という人の言葉は鵜呑みにできません、先祖代々言い伝えられてきました。
ですが、そのように火を起こしたような、眼差しを向けられては……。
……(少し悩む)

僕の存在そのものを目にしたことは、絶対に書いてはなりませんよ。
かなりボカして掲載してください。
……さあ、ここにいたら風邪をひきます。
夜が明ける前に小屋にお戻りください。
……約束を守っていただけたら、僕が安全に責務を果たせます。

……ええ、またどこかでお会いしましょう」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
雨男~深夜の人影~※妖怪×人間※
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
柊むーす
ライター情報
閲覧ありがとうございます。
主にフリーのシチュボ台本を書いています。
別サイトでシチュボ台本の販売も行っております(詳細は下記Twitterアカウント)
★連絡先★
Twitter:@mu_hiragi15
有償販売利用の条件
◇音声化後の【有料販売は禁止】です
◇サンプルボイスでのご利用→【台本の一部を切り抜いての利用不可】
 ※その際は全文ご利用ください※
利用実績(最大10件)
柊むーす の投稿台本(最大10件)