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下弦の月には、裏社会の狐面が攫いにくる。
written by 塩水アサリ
  • 裏社会
  • 主従
  • 主従関係
  • 関西弁
公開日2025年07月18日 00:00 更新日2025年08月16日 16:34
文字数
1806文字(約 6分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
裏社会の男
視聴者役柄
組のお嬢
場所
地下室(夜)
あらすじ
裏社会のお嬢様。
目を覚ますと手錠に繋がれ、地下室にいた。

『お月様と主従フリー台本シリーズ』
最後は下弦の月編です。
下弦の日は、何かを捨てると良いそうです。
本編
○~~~~ →場所
( ) →入れてほしいSE、状況の補足など



↓全編、関西弁で読んでください。


○地下室(夜)

(SE:手錠の音)

あ、お嬢? 起きた?
体へーき?

ごめんなお嬢。
飲んでもらったお薬、効き過ぎちゃったみたいや。

んー、でもなあ。

ちょっと前のお嬢なら、
このぐらいの配合で丁度良かったんやけどな。

お嬢……短期間で体重落ちすぎやろ。
もう少し早く連れてきてあげればよかったわ。

どしたんお嬢、そんなに震えて。
部屋寒い? 地下室やからなぁ。
なんかかけるもん……、

あっ、これ?
ごめんごめん、勤務中だから狐面つけっぱだったわ。

(狐面取る)

はい、俺でしたあ。
でもなあ、俺とお嬢の仲やのに、声で分からんのショックやわあ。
ね、「見慣れた面やなあ」とか少しも思わんかった? なーあー? お嬢?

え?
ああ、ここ?

ここはとある地下室。
組の者はみーんな知らない、俺だけの場所。

今はお嬢二人きりやけどな。
んはは、なんや、お嬢を呼ぶなら、
もっと色気のある家具とか置いとけばよかったわ。

(SE:手錠の音。お嬢が出口に行こうとする)

お嬢?
お手洗いはそっちとちゃうで。

あ……そっかぁ。出たいんか、外。
まあそうなるかあ。

でもな。

悪いけど、お嬢を外には出せへん。

今な、抗・争・中。

ヤッてるのは、親父の組と、俺が新しく立ち上げた組。
そやで? 俺が頭。

意外?
ははっ、お嬢は俺のことずーっと、
馴れ馴れしい諜報部隊の一人としか見てなかったもんなあ。

ええって、ええって。
俺もそう見えるように振る舞ってたし、しゃーなしやで。

俺な、お嬢の近くにいられるなら、なんでもええねん。

こんな世界に生まれて、育って。
それでもお嬢は純粋で、隙だらけで、陰りを知らない顔で人に笑いかける。
そのくせ、一個、こうって決めたら、周りがなんて言おうが動かん頑なさも持っとる。

そんなお嬢をずっと守っていたかった。
お嬢のこと大好きだし、縁談を親父に申し込もうと思ったときもあるんやで?

でも親父には拾ってもらった恩があるし、
こんな下っ端じゃアカンと泣く泣く諦めたんや。

まあ、親父はお嬢のことを大事にしとるから、
そのうちエエ男との縁談でも組んでくるんやとは思っとったけど、

……その前に、自分があの世に行くなんてなあ。

お嬢には伏せとったけどな、親父の死因は毒やってん。

おかしいやろ?
親父は大体の毒に耐性があるのに、偶然、たまたま、運悪く、耐性のない毒を盛られるなんて。

アイツや。
親父の席が空いたそばから、座ったアイツ。

ぜーんぶアイツが企てたんや。

親父を葬って、組の頭になって、
しまいには、お嬢のことを他の組に売り払おうなんてなあ。

許せんわ、許せんよなあ?

だからな、これは正当防衛やねん。
先に手出されたから、仕方なく~……な?

……あんな、お嬢。
お願いあんねん。

組を捨てて、俺の組におへんか?

親父が大事にしてきた組を捨てろっちゅうのは、酷な話やと思う。
お嬢が親父とおんなじぐらい組を大事にしとったのも知っとるし。

だけどもう、組におる奴はアイツの息のかかった人間しかおらん。
お嬢には悪いけど、勝手に俺の組に引き抜いてもうた。

もう、もうな。
お嬢が愛したあの組は、名前だけしか残っとらんのや。

だからお嬢。
組は捨ててくれ。

親父の意志は俺が継いでいく。
まだまだ親父には敵わんけど。それでも。

俺の組に来たからって、別に俺と結婚しろなんて言わん。
こんな世界だから融通が利かんこともあるとは思うけど、お嬢は好きにしてええ。

好きなとこに行って、好きなことをして、
好きな男と一緒になれ。

お嬢が幸せと思う道を選んでほしい。

俺は、そんなお嬢の幸せを……、
幸せを、ずっと見守っていければそれでええ。

そうやな。
アレや、お嬢は組だけじゃない。
今、俺を、この世界を捨ててもええんやで。

どうするお嬢?
正当防衛が終わるまでは、ここを出してあげれへんけど。

全部、お嬢の自由や。
全部、全部。

せや。
お嬢にこれあげる。

(狐面外してお嬢に手渡す)

親父が俺らにくれた面。
「組のもんが怪我せんように」って、わざわざ特注でうて、御祈祷もしたっちゅう代物や。

ど?
気に入った?

えぇ? いらんの? なんで、お守りやで?

……俺のこと心配してんのん?

やっぱ、どこまでいってもお嬢は心優しいお嬢様やな。

俺のことはええから。
ある意味親父の形見みたいなもんやし、お嬢が持っといてや。

あと俺、ちょーっと出てくるけど、お嬢はその仮面を持ってお留守番しといてな。

大丈夫。
お嬢は狐さんが守ってくれとるから、傷一つつかへんよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
下弦の月には、裏社会の狐面が攫いにくる。
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
塩水アサリ
ライター情報
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