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祠を壊したあなたへ巫女さんの最期(?)の耳かき
written by くるっくー
  • 耳かき
  • ファンタジー
  • ギャグ
  • 巫女
公開日2024年10月12日 23:00 更新日2024年10月13日 23:09
文字数
2505文字(約 8分21秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
巫女
視聴者役柄
祠を壊してしまった人
場所
小さな神社
あらすじ
うっかり祠を壊してしまったあなた。
急いでその神社の巫女さんにそのことを伝えると、あなたは死んでしまうと告げられる。
どうにかする方法はないのかと食い下がるあなたに対し、彼女は耳かきを提案し、あなたもそれに従うが、どうやら別に死を回避するためという訳ではないようで……?
本編
えっ……!?
あなた、あの祠を壊してしまったのですか……!?

それは、いつ頃……?
……そうですか。よかった、迅速な申し出に感謝します。
安心してください。祠は私が責任を持って直します。
あなたの死は免れませんが、これ以上の被害は食い止めることができるでしょう。

……えっ、ど、どうしました!?

……は、はい。死にます、けど……。
……それはー……だって、壊しちゃったんだし……。
ていうか、もう後ろに憑いてます。びっしりと。

わ、わかりました。一旦落ち着いて、そこでじっとしていてください。


……よし!
こちらへ来てください。耳かきをします!
はい、耳かきです。ほら、どうぞ膝枕へ。

(膝枕をして耳かき開始)

(しばらく無言で耳かき)

ああ、これの意味ですか?
あなたが、顔面蒼白になって、あまりに取り乱すものですから。きっと現世に大きな未練を残しているのだろうと思いまして……。
どうしたらそれが解消できるかと考えて、私なりに出した結論です。
巫女に耳かきしてもらえるなんて、人生で体験できる人、滅多にいないでしょう?

……え? いや、これで除霊とかできるわけないじゃないですか。耳かきをなんだと思ってるんです?

あっちょ、動かないで!
もう、こうなったら……はぁっ!

……ふぅ。
耳かきが終わるまで、動きを封じさせてもらいます。
本当は人間相手にこの術を使うのはよくないんですが……。
ほら、続けますよ。

全く……耳かき中に動いちゃダメじゃないですか。
子どもじゃないんですから、ちゃんとしてください!

まぁ、怖がる気持ちはわかりますけどね。
私も子供の頃、夜眠るときにふと「もし眠った後目が覚めなかったらどうしよう」って考え込んじゃって、怖くなって泣いたことがあるんですよ。
私が急に泣き出すものだから、お母さんもびっくりしちゃって。今となってはいい思い出ですけどね。あはは……。

じゃ、梵天いきますよ。
(梵天開始)
もう、いつまでウジウジしてるんですか!
あなたなら大丈夫ですよ!

何がって……あなた、祠を壊したことを正直に申し出てくれたじゃないですか。
だから、きっと来世も、いいことがありますよ。

……あっ、もしかしてまだ、現世に思い残してることがあるんですか?
すすすみません、そこまで思い至らなくて。

……あの、もしよろしければ、お聞かせくださいませんか?
あなたが、生きてる間に、しておきたいこと……。

……………………………………。

……あの、今考えてません?
本当に? そうですか……。

……あー……確かに、生きてさえいれば、っていうところはありますよねぇ。
これから先もいっぱい楽しいこと、したいですもんねぇ、はい……。

……いや、なんか……あなたって意外と、ポジティブなんですね……。
いえ、こんな小さな神社に1人で来られるなんて、神社仏閣好きじゃなければ、訳あって1人になりたいとか、思い悩んでるとかかと思ってたので……だからヤケになって祠を壊したのかなーって。
思いのほか、前向きな考え方してるんですね……すみません。

あ、じゃあ、反対側の耳掃除もしちゃいますねー。

(反対側の耳を向けて、耳かき開始)
私があなたに伝えたいのはですね……。
決まったことはどうしようもないから、後悔しないためにも、割り切ったほうがいいですよってことです。

確かに、こんな事態になってしまったのは、本当に不本意だろうし、そんな簡単に言ってくれるなと思うかもしれません。

でも、こうも考えられないですか?
最期までの残り時間を、あなたはこんなに元気な状態で過ごせるんです。
それって、すっごく自由だって。

ほら、『もし明日地球が滅亡するとしたらどうする』っていう質問、あるじゃないですか?
それに対して、怖くてふさいじゃうとか、不幸を嘆くって答える人は、あんまりいないですよね?
みんなまずは『あれがしたい、これがしたい』から考え始めるんです。滅亡するって言ってるのに。

あなたはまさに、その質問に直面している状況なんです。
その答えが『慌てふためいて、結局何もできずに終わり』なんて、あんまりじゃないですか。
いや、何もできてないことないか。巫女さんに耳かきしてもらえてるし。

とにかく、私と一緒に、答えを考えましょうよ。
――もし明日地球が滅亡するとしたら、あなたはどうしますか?


……あっ、いえ、あくまで例えで明日って言っただけなんで、
実際のところいつなのかは、よく知らないんですよね……。
死ぬとは聞いてるんですけど、私バイトでやってるだけなんで、詳細な部分はあんまり……。

ちょっと今から、上のほうに電話して聞いてみてもいいですか?
梵天なら、片手が空いてればできますんで。ながらになっちゃいますけど、いいですよね。

(梵天開始)

(他の誰かと電話で話す感じで)
あっ、お疲れ様ですー。
すみませんちょっと急ぎの用なもので、お電話させてもらいましたけれどー。

あのー今、祠を壊しちゃったーって方が来てましてー。
いつ頃死ぬのかってのを、どうしても知りたいそうなんでー。

えーと、1、2……10体。10体憑いてますね。はい。

……えっ、10年! 結構長めにとってくれるんですね!
あっ、1体につき1年!
1年経つごとに1体いなくなって、みんないなくなったら死ぬ!
へぇ~、そういう仕組みなんですね……。

えっ、あ、補充できるんですか!? この憑きものたち!
えっじゃあ、10年以内にまた来てもらって、祠を壊せば、その分延びるってことですか?
あっ、そうだったんですか~。

すみません、急に電話してしまって、はい、ありがとうございます~。
あ、すみませんもう一個だけ、確認したいんですけど、

結局、この方に憑いてるのって……正体は何なんですか?

……あれっ、どうしました? なんか音声が乱れて……もしもし? もしもーし?
……切れちゃった。

……まぁ、とりあえず、安心ですね!

ん? 何か気になることありました?
はい、あのー、また祠を壊しに来てもらえれば、延長できるみたいですよ。
んー、別にいいんじゃないですかね。向こうもそう言ってたんで。

はい、こっちの耳掃除も終わりました!
ひとまず、一件落着ということで。
今日はアレです、人生について考えてみた日、ってことにしましょう!

さ、立ち上がってください。
もう動けるようにしてありますから。


……あ。待ってください!
お帰りになる前に、あなたのお名前を、教えていただけませんか?

……ふふ、素敵なお名前ですね。

……ああ、これは……。
後で修理代の請求書をお送りするので、そのために。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
祠を壊したあなたへ巫女さんの最期(?)の耳かき
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
くるっくー
ライター情報
名義変更しました。(普段のHNと表記変えてたけどややこしくなるだけだったので統一します)
くるっくぅ→くるっくー

耳かきで負ける、屈服させられるシチュエーションが大好きです。

・台本を使用される場合について
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