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勇者の後を胡散臭い行商人がついてくる話
written by 774no58
  • 異世界
  • 敬語
  • ファンタジー
  • 人外 / モンスター
公開日2024年08月30日 00:50 更新日2024年08月30日 00:50
文字数
1402文字(約 4分41秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
胡散臭い行商人
視聴者役柄
異世界召喚され、勇者として旅する人間
場所
魔王城へ至る旅路の途中
あらすじ
異世界に転移した勇者が、怪しい行商人と行く先々で出会った結果、最終的に行商人がついてこようとする話。

(この世界では異世界から召喚された人間が、一律勇者として魔王城まで送り込まれています)
(パーティメンバーのステータスが見える、RPG要素が色濃い世界観のイメージです)
本編
あら~勇者様! どうもどうも、また出会いましたねえ。

いやいや! 付け回しているだなんてとんでもない。

偶然! 偶然、被っているだけですよ。いやだな~もう。

ほら、魔物が多い地域ですとそうそう商売敵もおりませんのでね。

私のような店も持たずにあっちからこっち、こっちからあっちと仕入れて売って仕入れて売ってを繰り返してるような商売人にとっては、このあたりは一攫千金の夢を見るのに十分でございます。

勿論、偶然! 貴方様と偶然被っているだけ、でございます!

ですが……どうでしょう。王都から遠く離れたここでお会いするなんて、これもなにかの御縁。

大変恐れ多いお願いごとでございますが、魔王城まで、貴方様の後をついて行ってもよろしいでしょうか?

……同じパーティに入るではなく。ええ、そうです。あくまでも別のパーティとして、ですね。

貴方様と私とで二人パーティを組むのは少し……ええ、私が行商人なんて因果な商売をしているのも、一人で伸び伸びと商売をしたい、その一心でございます。

ただまあ私としては、ですね。自由は欲しい、けれども貴方様の後をついて行って、多少安全になった道で商売をつつがなく何事もなく進めていけたらなあなんて思っておりまして……。

あっ、待って待って、せめてちょっと続きを聞いてからでお願いします。

……はい、ありがとうございます。
勿論、貴方様にとっても悪い話じゃありません。

私から貴方様には特別価格で商品をお売りしますし、買い取りだって特別価格で承りますよ。

貴方様だけにお教えしますと……私、収納魔法だけはとっても得意でしてね。時間も止まる無制限の。

ほら、貴方様がいつも悩まれている、食料品ですとか水ですとか……あるいは魔物を倒した後の鱗や肉の問題が、一気に解決しそうじゃありません?


……ええ、ええ、飲み込みが早い方は好きですよ。ご理解いただけて大変うれしいです。

食料や水がなければ、余力があったとて深追いはできない。

また、食料や路銀のためにも、魔物の素材をなるべく持ち帰りたい。

食料を優先すれば素材が運べず、素材を優先すれば食料が足りなくなる。

それを、解決できるかもしれない……となれば?

そうです。
貴方様は魔物を倒し、その場で魔物の素材を私に売り、そして休憩時に食料を私から買うことで荷物の問題が解決する。

私は勇者様の切り開く道をついていけば、安全に行商を行える。自分では倒せない魔物の、しかも新鮮な素材を仕入れられる。

ね、いかがでしょう? お互いに損はしないと思いませんか?


……ふふふ、ありがとうございます。

いかがでしょう、まずはお試しということで。

一週間程度様子を見て、もしご希望に添えないようでしたら無かったことにして頂いて結構ですよ。

ああ、勇者様の世界ではなんというんでしたっけ……。

クーリングオフ、でしたか?


……いえね、行商人は情報が命でございますから。口が裂けても言えませんねえ。

ま、誰から聞いたかなんて些細なことじゃありませんか。

そんなことより勇者様! 改めまして魔王城まで、どうぞよろしくお願いいたしますね。

それまで誠心誠意、しっかりサポートさせていただきますよ!


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(独白)

ええ、嘘は申し上げておりません。
魔王城まではしっかりサポートさせて頂いて……たどり着いた暁には、今度は魔王としてしっかりお相手して差し上げましょう。

異世界からやってくる勇者共。最近はどれもこれも骨がなくて退屈でしたが、今回は中々楽しめそうじゃありませんか。


(おわり)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
勇者の後を胡散臭い行商人がついてくる話
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
774no58
ライター情報
ななしのごんぱち
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